オープンAIが防衛進出、「軍事利用禁止」から一転
オープンAIは12月4日、アンドゥリルと提携し、米軍のドローン防衛システムの開発を支援すると発表した。軍事利用を明確に禁止してきた同社にとって、大きな方針転換だ。 by James O'Donnell2024.12.05
- この記事の3つのポイント
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- オープンAIが軍事利用を禁止する方針を緩和し、防衛分野に進出
- 米軍のドローン防衛支援のためアンドゥリル社と提携を発表
- 民主主義国家がAI開発を主導し続けるべきだと同社は主張している
2024年の初まりの時点で、オープンAI(OpenAI)の自社テクノロジーの軍事利用に関する規則は明確なものだった。
同社は、自社のモデルを「兵器開発」あるいは「軍や戦争」に使用することを禁じていたのだ。その方針が変わったのは2024年1月10日のことだ。ジ・インターセプト(The Intercept)の報道によると、オープンAIはこれらの制限を緩和し、兵器の開発や使用、他者への危害、財産の破壊など、「自分自身や他者に危害を加える」ために同社のテクノロジーを使用することを禁じるとした。オープンAIはその直後、ペンタゴン(米国防総省)とサイバーセキュリティのソフトウェアに関して協力するが、兵器に関しては協力しないと発表している。そして10月に発表したブログ記事で、同社は国家安全保障分野で活動していることを明らかにし、適切な者の手にかかれば、人工知能(AI)は「人々を守り、敵対勢力を抑止し、将来の紛争を防ぐことさえできる」可能性があると主張した。
そして12月4日、オープンAIは自社のテクノロジーが戦場で直接使用される予定であると発表した。
同社は、AI搭載ドローンやレーダーシステム、ミサイルを製造する防衛テック企業のアンドゥリル(Anduril)と提携し、米軍と同盟軍がドローン攻撃を防衛するのを支援すると述べている。この発表によれば、オープンAIは敵のドローンに対処するために、「一刻を争うデータを迅速に合成し、人間のオペレーターの負担を軽減し、シチュエーショナル・アウェアネス(状況把握)を向上させる」AIモデルの構築を支援することになる。詳細は発表されていないが、オープンAIの広報責任者であるリズ・ブルジョワによれば、このプログラムは無人航空機の脅威から米国の人員と施設を守ることに焦点を絞ったものだという。
「この提携は当社のポリシーに沿ったものであり、他者に危害を加えることを目的としたシステムを開発するために当社のテクノロジーを活用するものではありません」とブルジョワは語った。アンドゥリルの広報責任者は、このモデルが配備される世界各地の基地に関する具体的な内容は明かさなかったが、このテクノロジーはドローンの発見と追跡に使用され、軍人が単調な作業に費やす時間を減らすことに役立つと述べている。
オープンAIのテクノロジーの軍事利用を禁止する方針は、1年も経たないうちに変更されたのだ。オープンAIの広報責任者によると、同社が今年に入って、当時は明確だった自社の規則を緩和したのは、サイバーセキュリティ、自殺防止、災害救助など、限定的な状況下での軍との協力を認めるためだったという。
いまやオープンAIは、国家安全保障への関与を公然と受け入れている。軍や防衛テック企業と協力することで民主主義国家がAI競争で優位に立てる …
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