写真や動画コンテンツを認識するAIを開発するコンピューター・ビジョンのスタートアップ企業クラリファイ(Clarifai)は、パパラッチにもなれそうだ。
クラリファイの創業者、マシュー・ジーラー最高経営責任者(CEO)は3月27日、サンフランシスコで開催されたMIT Technology ReviewのEmTech Digitalカンファレンスで、画像内の顔を認識し、1万人の有名人と照合して識別確度を示す機能の実証デモを提供し始めた、と発表した。
顔認識は人工知能がよく使われるタスクだが、特定の誰かを識別する場合、識別対象がカメラを真正面から見ていなかったり、他の人やモノにさえぎられていたり、照明の当たり具合によっては、格段に難しいタスクになる。
ジーラーCEOは、1人以上の有名人が写っている写真をAIの識別モデルが読み取り、アンジェリーナ・ジョリーやモーガン・フリーマン等の人物が写真に写っている、と応答するクラリファイのアルゴリズムをいくつか披露した。ユーザーはクラリファイの識別アルゴリズムに、オンライン上にある写真に写っている有名人を特定するようにも要求もできる、とジーラーCEOはいう。
分類アルゴリズムはまだ開発段階のテクノロジーだ。映画『ヒドゥン・フィギュアズ』の発表記者会見の写真を見せると、クラリファイのシステムは正確にジャネール・モネイやオクタビア・スペンサー、タラジ・P・ヘンソン、ファレル・ウィリアムスを識別した。しかし大きなポスターの背景にいる2人の女性、ヘンソンとモネイが演じたキャサリン・ジョンソンとメアリー・ジャクソンの画像は、ウーピー・ゴールドバーグとチェビー・チェイスだと(公平にいえば「低い確度で」)推測するなど、アルゴリズムの推測性能はまだ「アルファ」段階にある。