クリーンなエネルギー源へのアクセスは、世界中の低所得社会にとって常に課題となっている。初期費用の高さがその理由の1つだ。世界の少なくとも数億人が、送電網にアクセスできない、もしくは不安定な状況に置かれている。そのため多くの人々が、健康と環境の両方に害を及ぼす灯油やディーゼルなどの低品質な燃料に収入の10%ほどを費やすざるを得ない。
この課題に対する1つの解決策が、家庭でクリーン・エネルギーを使うにあたって、その使用量に応じた手頃な料金を少額ずつ支払えるようにすることだ。
これが、サン・キング(Sun King)が実現した仕組みである。同社は、サブサハラ・アフリカ地域とアジアの地域社会に太陽光パネル、携帯型の太陽光電池式ランプ、電池(バッテリー)、そして照明やデバイス用の家庭用電力供給システムを提供。これによって、4000万人ほどの人々に安定した再生可能エネルギー電力を届けている。こうした従量制ビジネスモデルによって、各世帯の1日当たりの電気代は、わずか0.15ドルで済んでいる。
さらに2023年にペイゴー・エナジー(PayGo Energy)を買収したことで、サン・キングは製品ポートフォリオをクリーン調理器具へと拡大中だ。
ペイゴー・エナジーのコンロは、液化石油ガスを利用する。これによって、多くの家庭で一般的なコンロの加熱に使われている木炭、バイオマスや類似の燃料からの、健康被害や気候温暖化につながる汚染物質の発生を抑えている。コンロと燃料にかかる家計費は、同社の炭素クレジットによって補助される。これは、温室効果ガス排出量削減のために、自主的なカーボン・オフセットのプログラムを通じて同社が獲得しているものだ。
重要なのは、ペイゴー・エナジーが開発した家庭用調理コンロが、屋内汚染物質と温室効果ガスの排出を効果的に削減する点で専門家から高い評価を得ている点だ。サン・キングは、自社 …