今年で設立4年目のパノAI(PanoAI)は、森林、草原をはじめ、火災の危険性が高いエリアの視界のよい場所に回転カメラのネットワークを設置している。各ステーションは、半径約16キロメートル以内の超高解像度の映像を撮影していて、夜間や、煙が充満しているときでも、赤外線測定で温度の変動を検知できる。
パノAIは、独自の深層学習システムを使用して、該当する全域の煙などの火災の兆候を検出している。火災を察知すると、待機している人間のアナリストが画像を検討して火災の発生を確認したり、誤検知を除外したりする。
炎の発生が確認されると、パノAIは火災監視機関に警告を発し、迅速に対応できるように画像と位置データを提供する。
消防士が火を消し止めるまでの間、パノAIは変化し続ける状況を、高度に拡大縮小が可能な画像で常にアップデートしていく。衛星画像、気象情報など、外部のソースから収集した特別なデータも提供する。
基本データ
潜在的なインパクト
壊滅的な山火事が起こるリスクは高まる一方だ。背景には、人間が原生林のすれすれまでコミュニティを築き続けていること、その原生林が生いしげるままに放置されていることが挙げられる。一方で、気候変動によって気温が上がり、乾燥する地域が増え、木や低木、草が、燃えやすい薪のような状態に変わってきている。
火災による経済的・人的被害が深刻化するにつれ、火種が大火事になる前に能率的に防ぎ、消火する手段を開発することの重要性が増している。
通常、消防署などの緊急対応機 …