グーグルの研究チームが、量子エラー訂正で画期的な進歩を遂げたと発表した。このブレークスルーは、量子コンピューター実現の道を開き、このテクノロジーに対する期待についに応えられるかもしれない。
量子コンピューターの支持者は、この機械が、素粒子物理学から薬品や材料の設計に至るまで、幅広い分野での科学的発見に役立つと主張している。ただし、意図した通りに動くハードウェアを作れればの話である。
大きな課題の1つは、量子コンピューターは情報を不正確に保存または操作してしまう可能性があるため、実用的な長さのアルゴリズムを実行できないということである。グーグルの量子AIチームと学術共同研究者による今回の新しい研究は、実際にこれらのエラーを低減するコンポーネントを追加できることを実証している。以前は、工学上の制約により、量子コンピューターにコンポーネントを追加するとエラーが増える傾向にあった。この研究によってついに、エラー訂正が実用的な量子コンピューターの構築に向けた実行可能な戦略であるという考えが裏付けられた。デューク大学の物理学者ケネス・ブラウン教授によると、一部の批評家は、エラー訂正のアプローチが量子コンピューター実現に向けて有効であるかどうか疑問視していたという(ブラウン教授はこの研究には関わっていない)。
「このエラー訂正は本当に機能します。そして、さらに改善される一方だと思います」。グーグルの研究チームのメンバーであるマイケル・ニューマンはXにこう投稿した(グーグルは8月にプレプリント・サーバー、アーカイブ(arXiv)に今回の研究を投稿したが、この記事に関する公式なコメントの要請には応じなかった)。
量子コンピューターは、量子力学の原理に従って振る舞う物体を使用してデータをエンコードする。特に重要なのは、従来のコンピューターのように1と0としてだけでなく、1と0の「重ね合わせ」としても情報を保存することだ。このような重ね合わせの形で情報を保存し、量子もつれ(粒子が長距離にわたってつながっている状態)などの量子相互作用を使用してその値を操作することで、まったく新しいタイプのアルゴリズムの実行が可能になる。
しかし実際には、量子コンピューターの開発者は、コンポーネントが非常に繊細であるため、エラーがすぐに入り込むことを発見した。量子コンピューターは、そのコンポーネントの1つを特定の物理状態に置くことで、1、0、または重ね合わせを表現するが、あまりにも簡単にそれらの状態を誤って変更してしまうのだ。すると、コンポーネントは、本来表現すべき情報とは異なる物理状態になってしまう。このようなエラーは時間の経過 …