独立系研究機関オープンAIのイリア・スツカバー所長は27日、MIT Technology Reviewがサンフランシスコで主催した「EmTech Digital(エムテク・デジタル)」カンファレンスで、人工知能の次の大躍進について講演した。
スツカバー所長は、最近大きな進展があった「強化学習」の手法よりもさらに優れた機械学習の手法を示し、研究成果を説明した。オープンAIの手法は、実験用の巨大設備を飛び出し、事業化できる可能性もある。
スツカバー所長とオープンAIの研究チームは、機械が自分で複雑な課題を解く方法を見つける「進化的戦略(evolutionary strategies)」手法の研究についてブログ記事で説明している。
研究チームは、進化的戦略は、シミュレーションされた進化の過程を使ってアルゴリズムを最適化する、数十年前からある「遺伝的アルゴリズム」などとは別の手法だという。基本的には、実験と最適化により、複雑な問題を解決するための最良のアルゴリズムを機械に案出させる手法で、ロボット工学や自動運転等の分野にも応用できる。
オープンAIの研究者は、進化的戦略の手法を強化学習と比較して説明している。強化学習は、コンピューターが世界最高級の棋士に勝利するなど、ここ1年ほどで、印象深い結果を多く生み出した手法だ(「2 …