KADOKAWA Technology Review
×
カバーストーリー 無料会員限定
A New Direction for Artificial Intelligence?

オープンAI、
強化学習を上回る
「進化的戦略」を発表

オープンAIが強化学習を上回る「進化的戦略」を発表した。ここ数年の人工知能ブームを継続するには、過去の手法を上回る新手法が多く登場する必要がある。それでも、汎用人工知能はまだ実現できない。 by Will Knight2017.03.29

独立系研究機関オープンAIのイリア・スツカバー所長は27日、MIT Technology Reviewがサンフランシスコで主催した「EmTech Digital(エムテク・デジタル)」カンファレンスで、人工知能の次の大躍進について講演した。

スツカバー所長は、最近大きな進展があった「強化学習」の手法よりもさらに優れた機械学習の手法を示し、研究成果を説明した。オープンAIの手法は、実験用の巨大設備を飛び出し、事業化できる可能性もある。

スツカバー所長とオープンAIの研究チームは、機械が自分で複雑な課題を解く方法を見つける「進化的戦略(evolutionary strategies)」手法の研究についてブログ記事で説明している。

研究チームは、進化的戦略は、シミュレーションされた進化の過程を使ってアルゴリズムを最適化する、数十年前からある「遺伝的アルゴリズム」などとは別の手法だという。基本的には、実験と最適化により、複雑な問題を解決するための最良のアルゴリズムを機械に案出させる手法で、ロボット工学や自動運転等の分野にも応用できる。

オープンAIの研究者は、進化的戦略の手法を強化学習と比較して説明している。強化学習は、コンピューターが世界最高級の棋士に勝利するなど、ここ1年ほどで、印象深い結果を多く生み出した手法だ(「2 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. What’s on the table at this year’s UN climate conference トランプ再選ショック、開幕したCOP29の議論の行方は?
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る