グーグルが気象予測で新モデル、機械学習と物理学を統合
気象予測にAIと従来の物理学的手法のどちらが最も効果的かについては、気象や気候の専門家の間でも意見が分かれている。グーグルの研究者は、両者を組みわせることで、より低コストで正確な予測ができるシステムを発表した。 by James O'Donnell2024.07.24
- この記事の3つのポイント
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- グーグルが機械学習と従来手法を組み合わせた新たな気象予測モデルを構築
- 従来モデルよりも少ない計算能力で迅速に高品質な予測が可能
- 異常気象リスクの長期的モデリングへの使用が期待されている
グーグルの研究者は、機械学習と従来の手法を組み合わせた新たな気象予測モデルを構築した。これにより、現在よりも遥かに安い費用で正確な予報が得られるようになる可能性がある。
「ニューラルGCM(NeuralGCM)」と呼ばれるこのモデルは、7月22日付けのネイチャー(Nature)誌掲載の論文に詳細が記載されている。この数年間で深まった気象予報専門家たちの対立を解消するものだ。
何年もの過去データから学習し、気象予測を実行する最新の機械学習手法は、非常に高速で効率的だが、長期予測には苦戦する場合がある。一方、過去50年にわたり気象予測の主要ツールだった大循環モデルは、複雑な方程式を用いて大気変化をモデル化し、正確な予測ができるが、時間と費用がかかる。今後どのツールが最も信頼できるかについては、専門家の間でも意見が分かれていた。しかし、グーグルは、この2モデルを組み合わせることを試みた。
「物理学対人工知能(AI)ではありません。物理学とAIを真に一体化させたのです」。グーグルリサーチ(Google Research)のAI研究者であり、今回の論文の共著者でもあるスティーブン・ホイヤーは言う。
新システムは、予測に必要な大きな大気変化の一部を計算する際は、依然として従来モデルを使用する。システムに組み込まれているAIは、大規模モデルがうまく機能しない部分、つまり雲の形成や地域の細かな気候 (たとえばサンフランシスコの霧など)といった、約25キロ未満のスケールの予測が得意な傾向が見られる。「そこで、小規模な蓄積エラーを修正するために、AIをごく選択的な方法で利用するのです」とホイヤーは言 …
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