唐突な方針転換だ。バイオテクノロジー企業のジュノ・セラピューティクスによる、患者の免疫機能を遺伝子的に操作する有望ながん治療に再開にゴーサインが出た。
先週、米国食品医薬品局(FDA)は、治験中の患者3人が死亡したことを受け、ジュノ・セラピューティクスの治験に停止命令を出していた。ジュノ・セラピューティクスは、死亡は患者の体外で遺伝子を組み替えられ、体内に注入し戻された免疫細胞が原因ではなく、治療の一環である事前処置用の薬剤「フルダラビン」への中毒反応が引き起した、としていた。治験再開後、フルダラビンは治療手順から除外される。
先週、治験が停止された際に30%下落したジュノ・セラピューティクスの株価は、このニュースを受けて回復した。ジュノ・セラピューティクスが、ライバルのカイト・ファーマやノバルティスより先に市場を手にできるかは今のところ不明だ。ジュノ・セラピューティクスは、2017年までにFDAの認可を得ることを目指していた。
CAR-Tとして知られるジュノ・セラピューティクスの最初の治験は、再発性急性リンパ性白血病患者に対して、驚くべき成果を上げており、10人中約8人で腫瘍が消滅した。しかしこの治療法はリスクが高く、治験は生存可能性の低い患者に限って実施されていた。