テック業界で働いている良心ある人々にとって、今は地獄のような時だ。イスラエルによるガザへの攻撃は、シリコンバレーによる軍事契約の利害を浮き彫りにした。一方で企業のリーダーたちは、職場に政治を持ち込ませないというポリシーを、脅しをかける形で強制している。
労働者たちは板挟みになっている。仕事や健康保険、ビザ、家庭をリスクにさらして声を上げるべきなのか。あるいは、世界の反対側で実行されている無実の人々の殺害に、自分の仕事が加担しているかもしれないという疑いを無視するのか、と。
それを選ぶのは、他の誰でもないあなた自身だ。だが私は自分の経験から、自分が働いている企業が国内外の軍を相手に何をしているのかを労働者たちが正確に知れば、そうした選択を下しやすくなると自信を持って言える。また、こうした企業は強制されるか誰かが代わりにやらなければ、情報を明かすことは決してないということも私は知っている。
数兆ドル企業の利益追求のあり方を労働者が変えることなどできないのではないかと懸念している人は、私たちがかつてそれを成し遂げたことを思い出してほしい。2017年、私は#CancelMaven運動に参加し、運動を成功させた。この運動により、グーグルは「プロジェクト・メイブン(Project Maven)」との関わりを断つことになった。プロジェクト・メイブンはグーグルと米国防総省(DOD)の契約で、米軍の軍事用ドローンに人工知能(AI)技術を導入するという内容だった。私は極めて重要だと思われる情報の公開に一役買った。グーグルで働く人々、あるいはそのサービスを利用するすべての人々にその情報を知る権利があった。私が公開した情報(グーグルがドローンにAI技術を搭載する契約を米国防総省といかにして結び、後にその契約の範囲について真実を伝えず、同社の経営層が従業員と一般の人々に対してそれを隠そうとしたこと)は、契約の打ち切りへと経営層を追い込む決定的な要因となった。#CancelMavenがグーグル従業員と顧客にとってのスローガンとなり、これを無視できなくなったのである。
現在、「ノー・テック・フォー・アパルトヘイト(No Tech for Apartheid:アパルトヘイトに技術はいらない)」の連合の旗の下に組織された同様の運動が、「プロジェクト・ニンバス(Project Nimbus)」をターゲットにしている。プロジェクト・ニンバスはグーグルとアマゾンによる合同契約で、クラウド・コンピューティング・インフラとAIをイスラエル政府および軍に提供するという内容だ。5月10日の時点で、グーグル、アマゾン、イスラエル軍の協力破棄を求める署名に9万7000人以上が署名している。私はこの取り組みに感銘を受け、グーグルの対応には幻滅している。5月、グーグルは「破壊活動」に関与したとして、プロジェクト・ニンバスに …