KADOKAWA Technology Review
×
【冬割】 年間購読料20%オフキャンペーン実施中!
自律自動車の重要部品「ライダー」に盗用と在庫・性能不足問題
IMAGE COURTESY OF VELODYNE LIDAR
ニュース Insider Online限定
Self-Driving Cars’ Spinning-Laser Problem

自律自動車の重要部品「ライダー」に盗用と在庫・性能不足問題

自律自動車の重要部品「ライダー」に盗用と在庫・性能不足問題が起きている。多くの自動車メーカーが2021年までに販売すると公言している自律自動車の価格や性能、見た目は、現時点のライダーの進歩で決まる。 by Tom Simonite2017.03.21

自動車の自律運転を実現するには多くの部品が必要だが、他よりも特に重要で、現在、注目を浴びている部品がある。

その極めて重要な部品とは、ライダー(自動車の周囲にレーダーを照射し、反射により周囲の状況を三次元にマッピングするセンサー)のことだ。アルファベット(グーグル)やウーバー、トヨタ等が試験中の自動運転車は、障害物を巧みに避け、歩行者や他の自動車を認識するのに必要な詳細マップを作成するために、ライダー・センサーに完全に依存している。最も優れたセンサーは100m以上離れた場所にある数センチ幅のモノまで感知できる。

自動運転車の実現を競い合うほとんどの会社は、ライダーが必要不可欠だと考えている(カメラとレーダーだけに頼るテスラは例外)。レーダー・センサーは詳細をあまり感知できず、カメラは暗い場所や眩しい光がある状況では適切に機能しない。2016年には「オートパイロット」機能が眩しい光の中にあるトラックを検出できず、テスラ車がトラックに激突してドライバーが亡くなった。トヨタのライアン・ユースティス副社長(自律運転担当)は最近、同社が開発中の「完全自律」とはいえない安全システムがライダーなしで機能するかは「未解決問題」だと述べた(「トヨタの自動運転「守護天使」の概念はどこが優れているのか?」参照)。

ところが、自律運転テクノロジーが急に進化したため、発展途上の自律自動車産業は「ライダー・ギャップ(Lider lag)」問題に苦労している。そもそもライダー・センサーの製造と販売は比較的ニッチなビジネスであり、急な大量注文に対応しきれないのだ。また、ライダーは、何百万台もの車の基本部品になるには、大きさも性能も不十分な段階だ。

ライダーに問題があるのは、試作車を見れば明らかだ。ライダー・センサーは大きく、かさばる。アルファベットの自動運転子会社ウ …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【冬割】実施中! 年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る