臓器提供は時代遅れに?
ブタから人間への移植構想が
3800万ドル調達
ヒトへの移植用にCRISPRでブタの免疫系を人間化し、さらにゲノムに潜むウイルスのDNAを除去することで、移植用のブタを繁殖させる計画がある。実用化できれば、移植用臓器をブタから収穫でき、ヒトの寿命を何年も延ばせる医療につながる。 by Karen Weintraub2017.03.17
「このブタがキミのベーコンを守る(This pig might save your bacon.)」
バイオテック系スタートアップ企業eジェネシス製のTシャツには、英語の成句「save one's bacon(「~の体を守る」の意味)」とブタ臓器の移植をかけたダジャレが書いてある。eジェネシスは15日、ブタのDNAを編集して臓器移植用の資源にする新計画に対し、3800万ドルの資金を集めたと発表した。
eジェネシスによれば、計画では遺伝子の編集手法「クリスパー(CRISPR)」を使って、人体への移植後にブタ臓器に拒絶反応が出ないように、広範囲に改変したDNAをブタに導入し、人間に適した形にする(Tシャツの背中側には「追伸:ベーコンはカリカリに焼いてあるのが好き(PS, I like my bacon extra CRISPR’ed.)」と書いてある。こちらもCRISPRとcrisp【カリカリにする】のダジャレだ)。
eジェネシスは、ハーバード大学医学大学院のジョージ・チャーチ教授(遺伝学)の研究室から派生した会社だ。チャーチ教授とeジェネシスのルーハン・ヤン最高技術責任者(CSO)は、2015年に生きた細胞内のDNAを改変する遺伝子編集の強力な新手法により、ブタのゲノムに潜伏しているウイルスを排除できたことを示した。
現在研究グループは、ブタをさらに広範に改変する計画(人体に害のある分子を遺伝子編集で取り除くことなど)を進めている。ヤンCSOによれば、eジェネシ …
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