KADOKAWA Technology Review
×
カバーストーリー 無料会員限定
Starbucks Responds to Climate Change, with Mixed Results

温暖化でコーヒー豆激減
スターバックスの対策

スターバックスは気候変動に耐えられるコーヒー豆を農家に配布する一方で、温室効果ガスの排出量は増えている。 by Nanette Byrnes2016.05.09

コーヒーの生育域は赤道付近に広がり、ベトナム、インドネシア、ブラジル、タンザニアなど50か国以上にまたがる。しかし、これらの国々では平均気温の上昇が原因で、すでに農家のコーヒー豆生産高の減少が始まっている。気候変動が原因で過去には影響のなかった葉さび病などの有害な病気がコーヒーの木を襲い、多大な被害を農家に与えているのだ。

国際熱帯農業研究センターの研究によると、このまま温暖化が進んだ場合、2050年までには現在最も人気の高いコーヒー種であるアラビカ種を生産しているブラジルや中央アメリカの農地の80%で、コーヒー生産が困難になるという。同じ期間に全世界の生産量は半減 する見通しだ。生産量が激減すれば、価格は高騰するだろう。

そうなれば、コーヒー生産を基軸にする地元経済が破滅するだけでなく、コーヒー豆を買い付ける大手販売店や商社の担当者は新しい豆農家を探し、供給網を新規に構築しなければならない。「コーヒーの安定供給が非常に厳しい状態にあることは明らかです」と、NGOのコンサベーション・インターナショナル(CI)環境ビジネスパートナーシップ・センター(CELB)で、コーヒーと気候変動問題に取り組んでいるバンビ・セムロック上級戦略アドバイザーはいう。

そのためスターバックスは、気候変動に …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. The winners of Innovators under 35 Japan 2024 have been announced MITTRが選ぶ、 日本発U35イノベーター 2024年版
  2. Kids are learning how to make their own little language models 作って学ぶ生成AIモデルの仕組み、MITが子ども向け新アプリ
  3. The race to find new materials with AI needs more data. Meta is giving massive amounts away for free. メタ、材料科学向けの最大規模のデータセットとAIモデルを無償公開
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る