メタ(Meta)は11月21日、「メタ・コンテンツ・ライブラリ&API(Meta Content Library and API)」と呼ばれる、透明性を向上させる新たなツールを提供することを発表した。同社のプラットフォーム上で何が起こっているのか、より包括的に把握できるようにする取り組みで、ツールを利用することで研究者がフェイスブックとインスタグラムの公開データにアクセスできるようになる。
この動きは、ソーシャルメディア企業が、自社製品の仕組み、特にレコメンド・アルゴリズムとその影響について透明性を高めるよう求める、世間と規制当局からの圧力を受けている中で起こった。学術研究者らは、メタをはじめとするソーシャルメディア・プラットフォームのデータへのアクセスの改善を、長年にわたって求めてきた。今回の新しいライブラリは、メタのプラットフォームで何が起こっているか、そしてメタの製品がオンラインの会話、政治、社会全体に与える影響についての可視性を高めるための一歩となるだろう。
メタの国際問題担当社長であるニック・クレッグはインタビューで、このツールはさまざまな方法で「フェイスブックやインスタグラム全体で公開されているコンテンツに対し、メタがこれまで構築したものの中で最も包括的なアクセスを提供する」点で、「本当に極めて重要」なものだと述べた。クレッグ担当社長が11月21日のブログ投稿で述べているように、このコンテンツ・ライブラリは、メタが新しい規制要件、データ共有と透明性のコンプライアンス義務を満たすのにも役立つとのことだ。
ライブラリと関連APIは、数カ月前にベータ版として初めてリリースされた。研究者はこれらを利用することで、フェイスブックのページ、投稿、グループ、イベント、インスタグラムのクリエイターやビジネスアカウント、また関連するリアクション、シェア、コメント、投稿の閲覧数などのデータにほぼリアルタイムでアクセスできるようになる。こうしたデータはすべて公開されているもので、フェイスブック上で誰でも公開された投稿、反応、コメントを見ることができるが、新しいライブラリを使うことで、研究者はこれらのコンテンツを大規模に検索して分析することが容易になる。
メタによると、ユーザーのプライバシーを保護するため、データにはバーチャルな「クリーンルーム」を介してのみアクセス可能で、ダウンロードはできないという。アクセスは承認された研究者に限定され、独立した第三者機関を通じて申請する必要がある。
新しいライブラリ・ツールに加えて、メタはソーシャルネットワークと経済モビリティの関係に関する2022年からの研究を拡大するための、新しいパートナーシップを発表した。
これらの発表は、メタが「責任あるAIチーム」を解散して研究者を組織の他の部門に分散させるとジ・インフォメーションが報じ …