原子力産業停滞の象徴としての、東芝と福島第一原発
持続可能エネルギー

Six Years On, Fukushima’s Clean-Up Looks Harder Than Ever 東芝と福島第一原発
原子力産業停滞の象徴

気候変動に対処するには原子力発電所の増設は必然だ。しかし、東芝と福島第一原発の問題は、安全面でも事業面でも、原子力産業が現状を打破できない象徴になっている。 by Jamie Condliffe2017.03.11

福島第一原発の事故から6年が過ぎ、廃棄された発電所の除染作業は、原子力業界全体の展望と同様の惨状にある。

2011年3月11日、原子炉は地震と津波でメルトダウンを起こし、地域住民数千人が避難を余儀なくされた。不幸中の幸いで、放射性降下物による死者は記録されていない。だが、事故後の除染作業は困難を極めており、今後数十年はかかると考えられている。

残念ながら、事故後6年たっても展望は好転しておらず、廃炉作業は当初の見込みより、ずっと難しいことがわかってきた。今年、原子炉格納容器のひとつで検出された放射線量は、 2011年の事故以来最大値を記録した。1分未満でヒトが死ぬレベルだ。

何台もの特殊設計ロボットが投入され、施設内の調査が進み、問題解決に向かうことが期待された。しかし、原子炉内の環境は過酷で、すでに何台もの ロ …

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