欧米流の知財しか知らない日本企業は中国企業に絶対勝てない
中国流の知財の概念は、野蛮・無法なのではなく、知財の別解釈だと捉えないと、勝てるはずがない。ムーアの法則の減速によって、産業界のルールを書き改める時機にあるのかもしれない。 by Elizabeth Woyke2017.03.10
連続起業家(serial entrepreneur)のアンドリュー・"バニー"・フアンは、一般消費者向け製品のメーカーは、ハードウェアの設計を公開して、誰でも中身を見て改造できるようにすべきだ、という信念がある。自身の複数のスタートアップ(チャンビー(Chumby)、ノベナ(Novena) 、チビトロニクス(Chibitronics))で実際に情報を公開しており、さらにオープンソース・ハードウェアの設計開発、製造での経験を最近出版された自著『The Hardware Hacker: Adventures in Making and Breaking Hardware(ハードウェア・ハッカー:ハードウェアを作って壊すという冒険)』で詳しく述べている。MIT Technology Review の取材に応じたフアンは、製品ユーザーのコミュニティーを育成するメリット、ムーアの法則がオープン・ハードウェアに与える影響、中国におけるオープンソースの現状について語った。
以下の内容は、読みやすいように編集、要約した抜粋だ(日本版では未提供のInsider Premiumの定期購読者は、こちらでインタビュー全体の音声を聞ける)。
ファンさんは10年間でオープン・ハードウェア・プラットフォームを3社も立ち上げましたね。チャンビーは無線LANを利用したコンテンツ配信ガジェット、ノベナはオープンソースのノートPC、チビトロニクスは自作マシン作成や教育用途のユーザーが自由に組み合わせられる電子基板セットが製品です。こういった企業を基本的にオープンソースを原則として運営し、ソースコードや回路図をネット上で無料開放した理由と経緯を教えてください。
自分の開発した製品に対するユーザーの不満や、不満点にどう対処したかを知り、学ぶことに価値があると思うのです。製品の回路図や基盤の価値は、製造工程全体から見れば、実はごくわずかな断片にすぎないのです。回路図や基盤、ソースコードに関する知的財産を公 …
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