気候テック15:DAC商業化でCO2を減らすクライムワークス
気候問題の解決には、二酸化炭素を大気から直接回収することも重要になる。MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」の1社であるクライムワークスは、特殊なフィルターで二酸化炭素を捕捉し、地下の岩石に貯蔵するプラントを構築・運営している。 by Maddie Stone2023.11.02
クライムワークス(Climeworks)は、他のどの企業よりも、直接空気回収(DAC)を世に知らしめている。
気候モデルによれば、地球温暖化を産業化以前の水準のプラス2℃以下に抑えるには、大気中からギガトン、つまり数十億トンの二酸化炭素を除去する必要がある。炭素吸収機械は、植林のような自然な解決策よりも、必要な土地がはるかに少なく済み、温室効果ガスがどれだけ隔離されたかをより確実に測定できるため、炭素を除去するには魅力的な選択肢だ。しかし今日、いわゆるDAC技術は発展途上にある。
クライムワークスは、この技術を商業化しようとしている最初の企業の1つだ。特殊なフィルターで炭素を取り込んで捕捉するエアコレクターを使用し、再生可能エネルギーを動力源とする、拡張可能なモジュール式DACプラントを建設している。2017年に同社はスイスに世界初の商用DACプラントを開設し、回収した炭素をコカ・コーラなどの顧客に販売した。2021年には、カーブフィックス(Carbfix)との提携により、炭素を回収して地下に永久保存する初の商用DACプラントである「オルカ(Orca)」を立ち上げた。
2023 年には、マイクロソフト、ショッピファイ(Shopify)、ストライプ(Stripe)に対し、DACを使用した世界初の二酸化炭素除去サービスを提供した。
基本データ
潜在的なインパクト
DAC技術は、広く普及すれば、大気中から何ギガトンもの炭素を取り出し、地下の貯留所に送り込んで岩石に取り込ませることで、大気中の二酸化炭素濃度を恒久的に削減できる。
クライムワークスは、最初の商業プラントを通じて、D …
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