KADOKAWA Technology Review
×
【冬割】 年間購読料20%オフキャンペーン実施中!
気候テック15:再エネ貯蔵に有望、フォーム・エナジーの鉄電池
Form Energy
気候変動/エネルギー Insider Online限定
2023 Climate Tech Companies to Watch: Form Energy and its iron batteries

気候テック15:再エネ貯蔵に有望、フォーム・エナジーの鉄電池

広く利用可能な材料で安価な電池を作ることは、送電網の再生可能エネルギーへの移行に有効だ。MITテクノロジーレビューの「気候テック企業15」の1社であるフォーム・エナジーの鉄ベース電池は、送電網のエネルギー貯蔵にはもってこいかもしれない。 by Casey Crownhart2023.10.27

フォーム・エナジー(Form Energy)は、鉄、空気、水といった地球上で最もありふれた材料を使って、新型電池を開発している。

太陽光パネル発電や風力タービン発電による送電網への電力供給量は年を追うごとに増している。だが、それでも太陽が出ていない時間帯や風が吹いていない時間帯は存在する。電力貯蔵は、その狭間を埋めるために極めて重要な存在になってきている。

フォーム・エナジーの電池は、鉄と空気の化学反応を利用している。エネルギーを貯蔵する際に鉄が酸素と結び付いて錆へと変質するのだ。エネルギーが放出されると逆反応が起こり、鉄金属と酸素が再生成される。

エネルギー貯蔵において最も重要なのはコストだ。フォーム・エナジーが、現在のリチウムイオン電池の5分の1未満のコストにあたる、1キロワット時あたり20ドルの代替電池システム開発を目指しているのはそのためだ。鉄空気電池はリチウムイオン電池やその他多数のエネルギー貯蔵の選択肢に比べて重くてかさばるが、重さやサイズが、コストや耐久性ほど重要ではない送電網の大規模設置には理想的なソリューションになる可能性がある。

基本データ

潜在的なインパクト

発電による温室効果ガス排出量は、世界の温室効果ガス排出量の約 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【冬割】実施中! 年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る