風力タービンは気候変動対策に欠かせない。だが、その寿命が尽きたとき、タービン・ブレードは膨大な廃棄物の山をさらに高く積み上げることになる。この4月にネイチャー(Nature)誌に発表された新たな研究は、最終的に埋立て処分せずに済む再生可能エネルギー・インフラの構築に向けた第一歩となるかもしれない。
風力タービンのブレードはその機能を果たすために、頑丈であることが必要だ。この再生可能エネルギーの大黒柱は数十年の耐久性があり、毎分約30回転に達する速度で回り続ける。
だが解体の時を迎えると、風力タービンの強みが欠点になる。 ブレードは非常に高い耐久性を持つよう設計されているので、製造に使われる材料は現在のところリサイクルが困難だ。そして、約4300万トンのブレードが2050年までに運用を終える。
今回の新たな研究は、風力タービン・ブレードの主要部品を回収し、材料の主要な構成要素を破壊せずにプラスチックを分解する方法について説明している。
「私たちには持続可能なエネルギーが必要ですが、廃棄物のことも考慮しなければいけませんし、その解決法を見つけなければなりません」。デンマークのオーフス大学の博士研究員で、研究論文の筆頭著者であるアレクサンダー・アーレンスは言う。
風力タービン・ブレードはエポキシ樹脂と呼ばれる丈夫なプラスチックで作られる。エポキシ樹脂は硬化するときに、化学結合が作られるので、飲料ボトルやミルク容器を作るプラスチックのように溶かして新たな形に成形して再利用することができない。風力タービン・ブレードの場合、強度を上げるために繊維も樹脂に混合されている。このような強化材料は、補強繊維がガラス製の場合グラスファイバーと呼ばれるが、航空機の翼やボートなどの …