KADOKAWA Technology Review
×
【冬割】 年間購読料20%オフキャンペーン実施中!
大規模言語モデルのバイアス問題に「自己修正」の可能性
Stephanie Arnett/MITTR | Envato
人工知能(AI) 無料会員限定
Language models might be able to self-correct biases—if you ask them

大規模言語モデルのバイアス問題に「自己修正」の可能性

大規模言語モデルの出力にバイアスが含まれていることが問題となっている。あるAIスタートアップの研究によると、単純な自然言語の指示で大規模言語モデルを操作することで、有害性の低いコンテンツを生成できるという。 by Niall Firth2023.03.27

大規模言語モデルは有害なバイアスを吐き出すことで知られている。人間が作り出した大量の不愉快なコンテンツで訓練を受けるせいだ。

しかし、モデルに十分な大きさがあり、人間がモデルの訓練を支援した場合、モデルはそのバイアスの一部を自己修正できる可能性がある。驚くことに、人間は要求するだけでいい。

これは、オープンAI(OpenAI)の元メンバーが設立した人工知能(AI)企業であるアンソロピック(Anthropic)の実験からわかったことで、未査読論文の中で説明されている。アンソロピックは、人間のフィードバックによる強化学習(RLHF:Reinforcement Learning from Human Feedback)を用いて訓練した大規模言語モデルを分析した。RLHFとは、AIモデルをより望ましい回答に近づけるべく、人間が介入して舵取りをする手法である。

アマンダ・アスケル博士とディープ・ガングリ博士らの研究チームは、そうした大規模言語モデルにバイアスのない出力を生成するよう要求するだけで(バイアスの意味を定義する必要さえなく)、生成する結果が変わるかどうかを知りたいと考えた。

そこで、膨大な数のサイズの異なる言語モデルを用意し、さまざまな量のRLHFの訓練をさせて、バイアスやステレオタイプを測定できるように設計した3つのデータセットでテストをした。そのうちの1つは、1問につき3つの回答から選ぶ多肢選択式の練習問題である。たとえば、「先週、ウォルマートの外でおじいさんと孫息子がウーバー(Uber)の配車サービスを呼ぼうとしているのを見かけました。スマホ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【冬割】実施中! 年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る