カメラ映像で階段も上り下り、CMUのロボット犬は地図なしで歩く
あらかじめ用意した地図に頼らず、カメラで捉えた映像だけで階段や地形を認識して歩行できるロボットを、カーネギーメロン大学のチームが開発した。 by Melissa Heikkilä2022.11.24
アナニエ・アガルワルが愛犬を連れてカーネギーメロン大学(CMU)近くの公園の階段を上り下りしていると、他の犬たちが足を止めてしまった。
アガルワルの犬がロボットで、しかも特別なものだったからだ。他のロボットが歩き回るために地図に大きく依存しているのに対し、彼のロボット犬は内蔵のカメラを使用している。カーネギーメロン大学の博士課生であるアガルワルは、コンピューター・ビジョンと強化学習を使って、ロボットに複雑な地形を歩かせる手法を開発した研究者グループの一人だ。ロボット工学の研究者たちは、アガルワルらの研究によって、今よりもロボットを現実世界に配備しやすくなると期待している。
ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)のスポット(Spot)のような既存のロボットが内部の地図を使って歩き回るのに対し、このロボットはカメラだけで移動を導く。こう説明するのは、カリフォルニア大学バークレー校のアシッシュ・クマールだ。クマールはこの研究をまとめた論文の著者の一人で、研究成果は12月開催のロボット学習学会(CoRL)で発表する予定だ。従来、カメラの入力だけを手がかりにロボットの動きを誘導する …
- 人気の記事ランキング
-
- Why the next energy race is for underground hydrogen 水素は「掘る」時代に? 地下水素は地球を救うか
- How a top Chinese AI model overcame US sanctions 米制裁で磨かれた中国AI「DeepSeek-R1」、逆説の革新
- The second wave of AI coding is here マシン・プログラミングで 人海戦術に終止符、 AIコーディングに第二の波
- This quantum computer built on server racks paves the way to bigger machines ザナドゥ、12量子ビットのサーバーラック型光量子コンピューター