2022年11月6日から11月18日にかけて、国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)がエジプトのシャルム・エル・シェイクで開催された。年に一度の締約国会議(COP)に参加する各国のリーダーたちは、排出量の削減と、すでに発生している気候変動への対処の道筋をつけるため、交渉を繰り広げている。
この2つ目の目標には、気候変動によって引き起こされる「損失と損害」のため、資金調達を確立することについての議論が含まれている。そこでは、より貧しく、被害を受けやすい国々を支援するために、豊かな国々が資金を出すことになる。そうした資金の必要性について途上国は長年訴えて続けてきた。今年のCOP27でようやく、この問題が初めて正式な議題に加えられた。
こうした交渉の中心となるのは、「気候変動の責任は誰にあるのか」という問いだ。複雑な問題であるが、現在と過去の排出量に関するいくつかのデータから、その答えを導き出せる。
温室効果ガス排出量は、2021年に過去最高に達した。化石燃料による世界の二酸化炭素排出量が360億トンを超えたのだ。現在最も排出量が多いのは中国であり、それに米国が続く。第3位が欧州連合(EU)からの合計排出量であり、インド、ロシアと続いている。
だが最新排出量のデータは、気候変動に対する責任のすべてを語るわけではない。「気候変動を引き起こしている程度に関して、各国は非常に不平等な状態です」と、研究非営利団体である世界資源研究所(World Resources Insti …