VRゴーグルを着用し、視覚や聴覚をある意味騙して、飛んだり、浮いたり、泳いだりする感覚をどんなに再現できても、自分の足が固い地面を踏みつけている限り、本物の没入感は得られない。そこで、ディスカバリー・デジタル・ネットワークスのスティーブン・グリーンウッド・クリエイティブ開発ディレクターとVRゴーグルメーカーであるアベガントの共同創業者アラン・エバンス相談役は、水中で着用できるVRゴーグルを開発中だ。
グリーンウッド開発ディレクターとエバンス相談役は12月に、アイソレーション・タンク(暗くて静かな、日焼けマシンのような一人用小型プール)とVRを組み合わせたらどうなるか意気投合して研究を始めたのだ。
現時点では派生プロジェクト扱い(ちょっと馬鹿馬鹿しい感じもする)だが、グリーンウッド・ディレクターとエバンス相談役は、この構想はエンターテイメントやスキューバダイビング・シミュレーション、さらには理学療法にも発展しうると考えている。実質現実は消費者向け製品としては成熟しておらず、中途半端なゲームや映画、アプリ以上にどう利用するかはまだはっきりしない。ふたりには、水中用VRゴーグルこそ、VRの真の魅力を引き出す方法だと思えるのだ。
「根本的に異なる環境に身を置けば、現実離れした感覚を得られるはずです。地面や重力の感覚がなく、どちらが上でどちらが下かの感覚がなくなれば、実質現実は実際に感じられる現実になるのです」
試作した水中VRギアは、未完成ではあるが、動作はする。コンピューターとデ …