新たな研究によると、機械学習は、極端な温度や錆に強いといった有用な特性を備えた新しい金属の開発に役立ちそうだ。例えば、低温に強い金属は宇宙船の改良につながり、錆びにくい金属は船や潜水艦に使えるなど、さまざまな分野での活用が期待できる。
現在、科学者たちは通常、金属を組み合わせて新たな金属を生み出す方法を、研究室の実験で模索している。多くの場合、鉄のような安価で加工しやすい良く知られた1つの元素に、他の1つか2つの元素を加えて、元の材料への影響を調べる。結果的に有用な成果より失敗の方が多いため、骨の折れる試行錯誤のプロセスとなる。
だが、10月6日にサイエンス誌に掲載された新しい論文によると、人工知能(AI)を用いることで、研究者が有望な金属の組み合わせを、これまでよりはるかに正確に予想できるという。
ドイツのマックス・プランク研究所(Max Planck Institute)の研究チームは、この手法により、有望な新しい金属17種類を特定することに成功した。研究チームは、温度変化による伸縮が少ない「低熱膨張係数」金属を探していたのだ。
低熱膨張係数金属は極端な温度下でも大きさが変わらないため、その特性が役立つ産業に用いられることが多い。例えば、天然ガスの輸送や貯蔵での利用だ。こう説明するのは、マックス・プランク研究 …