あと数週間もすると、ロンドンでは小型ロボットがピザやサンドイッチを配達するようになる。車輪型ロボットを製造するスターシップテクノロジーズが、出前サービスを展開するスタートアップ企業ジャスト・イートとプロント(日本のカフェチェーンPRONTOとは無関係)の2社と契約を結んだのだ。
ロボットは世界有数の都市ロンドンで独り立ちできるのだろうか。出前中のロボットからカツアゲする人間はいるのだろうか。
ロボットが人間の生活圏で活動するのは初めてではない。店舗やホテル、駐車場など、ロボットは急速に活動範囲を広げている。しかし、ロボットが屋外で、舗装道路で通行人に混じって移動するには未知の問題が残されている。たとえば、人とロボットは、どちらが道を譲るべきだろうか。
スターシップのアラン・マーティンソンCOO(最高業務執行責任者)によれば、スタートアップが直面した最も難しい問題の1つは、好奇心旺盛な、あるいは困惑する人々に上手く対処するロボットを設計することだ。そこでスターシップは、社員がロボットの後をついていき、問題発生時に割って入れるようにしているという。だが、これまで「40万人と遭遇したロボットに、いまのところトラブルはありません」という。
深夜の出前はロボットにも危険だろう。米国フィラデルフィアでは、ヒッチハイクロボット「ヒッチボット」がバラバラにされてしまった。人間は、残念ながら、人目につかない場所では、疑うことを知らないロボットにかなり冷酷なのかもしれない。
さて、道に迷わず、カツアゲにも遭わず、ロボットが無事に配達先の玄関にたどり着いたとしよう。ロボットはチップを期待して、ジっと待ったりはしないはずだ。