1995年、アメリカの小説家カート・ヴォネガットは、物語の形に関する自身の理論について説明した。講義中、黒板にいくつかの例を描画し、「物語の単純な形をコンピューターに入力できない理由はない」といった。「美しい形だ」
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ヴォネガットは、小説家が何世紀にもわたって探求してきた考えをグラフで示した。物語は感情の弧をたどり、弧は異なる形を持ち、ある形は他の形よりも物語を伝えるのに適しているという理論だ。ヴォネガットは講義で「男が穴に落ち、穴から出てくる」という展開の基本的な弧から「男の子が女の子に出会い、女の子を失い、女の子を手に入れる」ような、より複雑な弧など、いくつかの弧を提示した。
物語をグラフで表したのはヴォネガットおそらく最初だが、物語をいくつかの型に分類しようとしたのはヴォネガットだけではない。2000年以上前にアリストテレスも物語の分類について思考をめぐらし、その他大勢もアリストテレスに続いた。
しかし、物語に現れる感情の弧は何種類あり、どんな形があるのか、見解は一致しない。基本的型は3つの説から、30以上の型があるとする説までさまざまだ。いずれにしても、物語をいくつに分類するかの数を、科学的に説明する方法はないのだ。
いま、バーモント州バーリントン市にあるバーモント大学コンピュテーショナル・ストーリー研究所のアンドリュー・レーガン研究員のチームにより、この不確定な状況が変わろうとしている。レー …