「アルファ碁」で知られるアルファベット傘下の人工知能(AI)企業「ディープマインド」が7月、新たな偉業を達成した。「2億種類以上」という既知のほぼすべてのタンパク質の構造をAIで予測することに成功し、データベースとして公開したのだ。同社CEOは「植物、バクテリア、動物、その他とても多くの生物の構造が含まれており、持続可能性、燃料、食糧不安、顧みられない病気といった重要な問題に影響を与える大きな機会を開く」と話すが、このニュースは何を意味するのか?
今週のオーディオ・ムック(β)では、AI企業ディープマインドがタンパク質構造の予測という科学的難問に挑んだ理由、科学界へ与えるインパクトについて詳しく紹介する。
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今週の収録記事
ディープマインド、既知の「ほぼすべて」のタンパク質構造を予測
アルファベット傘下のAI企業、ディープマインドは、2億種類以上のタンパク質の構造予測データベースを公開した。既知のタンパク質ほぼすべてに相当し、生物学の研究や創薬のプロセスを大きく変える可能性がある。
アルファフォールド2が社会に与える「アルファ碁」以上のインパクト
囲碁AI「アルファ碁」で世界に衝撃を与えたディープマインドが次に狙いを定めたのは、生体内に存在するタンパク質の立体構造予測だった。「アルファフォールド」と名づけられたタンパク質構造予測AIもまた生物学研究者に大きな衝撃を与え、医薬品開発や産業応用に大きくつながる可能性を秘めている。
ディープマインドCEO独白 「私がアルファ碁よりも 本当に作りたかったAI」
アルファベット(グーグル)傘下の人工知能(AI)企業、ディープマインド。韓国のトップ棋士に勝利したことで世界を驚かせた後、同社は注力分野をゲームから科学へと転換した。それには、デミス・ハサビスCEOがディープマインドを立ち上げた理由と関係している。