最近、幹細胞から作られたこのマウスの人工胚は、これまでに作られたどのマウスの人工胚よりも、多くの脳の発達を示している。
この研究を実施したケンブリッジ大学とカリフォルニア工科大学の研究者によると、これまでも幹細胞からマウスの胚を作り出した研究はあったが、脳の前部を含む脳全体が発達し始める段階に達したのは初めてだという。
8月25日付けでネイチャー誌に掲載されたこの研究成果は、ヒトの胚の発達についての詳しい解明につながり、さまざまな病気に関する洞察を得るのに役立つだけでなく、動物に代わる実験材料となる可能性がある。
この新しい人工胚は精子や卵細胞を使わずに作られ、研究室で、自然のマウスの胚と並行して成長した。人工胚と自然胚は受精後8日半までは同じように成長し、鼓動する心臓や、最終的に脳と脊髄になる神経管など、臓器の基礎となる部分が形成された。
スペインのマドリードにあるセベロ・オチョア分子生物学センター(Center for Molecular Biology Severo Ochoa)のレオナルド・ベッカーリ博士は、「これは大きな進歩だと思います」と評価した(ベッカーリ博士は今回の研究には関与していない)。
発生のこの段階におけるマウスの幹細胞の相互作用に関する研究は、人間の妊娠が初期段階で失敗する理由や、それを防ぐ方法について有益な見識をもたらす可能性がある。
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