飛行機や気球を使って成層圏に微粒子を散布し、地球の気候システムに人工的に介入する「地球工学」について、米国政府が省庁間グループを立ち上げ、今後の研究計画を策定すると発表した。地球工学をめぐっては、温暖化対策の切り札になるとの声もある一方で、取り返しのつかない重大な副作用をもたらす可能性があると懸念する声も根強い。
今週のオーディオ・ムック(β)では、米政府の最新の取り組みを紹介するとともに、地球工学の基礎知識と主要な研究動向について解説する。
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今週の収録記事
ついに動き出した 米「太陽地球工学」政策、 5カ年計画作成へ
米国政府はこのほど、「太陽地球工学」の研究に関する省庁間グループを立ち上げ、研究指針や基準の策定を始めた。気候介入の実現可能性、利点、およびリスクに関するさらなる研究と資金調達を促進するきっかけになるだろう。
地球工学はなぜ検討に値するか? 知っておくべき基礎知識
今後、気候変動の脅威が高まるにつれ、地球工学の可能性と危険性について耳にする機会がますます多くなるだろう。地球工学の歴史や現状、地球工学を検討すべき理由について、質問に答える形でまとめた。
「危険すぎて使えない」太陽地球工学をハーバードはなぜ研究するのか
ハーバード大学の研究チームは、気候変動問題に対処するため、成層圏に微粒子を散布して太陽光を宇宙に反射する太陽地球工学の研究に取り組んでいる。チームは、より理解を深めるために小規模な野外実験の準備を進めてきたが、後戻りできない可能性が指摘され、反対の声は根強い。