SNSなどから収集した膨大な画像を使って個人を特定する顔認識システムを販売する企業に対して先月、英国当局はデータ保護法違反としておよそ1000万ドルの罰金を命じた。このサービスは米国を中心に警察などで導入されているが、欧州では英国と同様の判断が相次いでいる。顔認識技術をめぐってはアマゾンやIBMなどの大手企業が販売を停止したり、市民らによる反発を受けて法規制化を目指す動きもあり、苦しい状況に置かれている。
なぜ、顔認識技術が欧米で問題とされているのか? 今週のオーディオ・ムック(β)は、その背景と規制をめぐる直近の動きについて紹介する。
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MITテクノロジーレビューは毎週、旬のテーマを設定し、編集部がピックアップした記事を「オーディオ・ムック(β)」として音声化してお届けします。家事や運動をしながら、通勤しながら、手がふさがっていても記事が読める「聴く」MITテクノロジーレビューをお楽しみください。
なお、本コンテンツは音声合成技術で作成しているため、一部お聞き苦しい点があります。ご容赦ください。バックナンバーはこちら。感想は@techreviewjp まで。
今週の収録記事
ネット画像で顔認識、「クリアビューAI」に迫る規制包囲網
ソーシャルメディアなどからプロフィール画像を収集し、個人を識別する顔認識システムに利用しているクリアビューAIに対する風当たりが強くなっている。英国では罰金やデータの削除を求める命令が出され、欧州各国で同様の動きがある。
米国で高まる「顔認識」規制の気運、自主規制から近く法制化へ
アマゾンは米国での警察への顔認識ソフトの販売停止を無期限に延長した。大手テック企業は現在、警察に対する顔認識テクノロジーの提供を自主規制しているが、連邦法による規制の動きが加速している。
顔認識技術は人種差別的、 抗議を2年間無視し続けた アマゾンが態度を変えた理由
アマゾンは6月10日に、顔認識システム「レコグニション」の警察への提供を今後1年間停止すると発表した。公民権団体や研究団体が2018年夏から訴えてきた成果が、ようやく実を結んだ形だ。