この1か月でまた、人工知能(AI)で作成した奇妙ですばらしい画像が大量に生みだされた。オープンAI(OpenAI)は4月、画像作成用の新しいニューラル・ネットワーク「DALL-E(ダリー) 2」を発表した。DALL-E 2は、要求されればほとんど何でも、驚くべき高解像度で画像を作成できる。はほぼすべての面において、元々の「DALL-E」を上回った。
それからわずか数週間後、今度はグーグル・ブレイン(Google Brain)が、「Imagen(イメージェン)」と呼ばれる独自の画像作成AIを発表した。Imagenの性能はDALL-E 2よりもさらに優れている。コンピューターで作成した画像の品質を評価する標準的な指標で高いスコアを獲得し、生成された画像は人間の審査員グループから好評を博した。
あるツイッター・ユーザーは、「私たちはAIの宇宙開発競争の時代を生きている!」とコメントした。別のユーザーは「ストック写真産業は崩壊した」とツイートした。
https://twitter.com/Chitwan_Saharia/status/1529167543973421057
Imagenの生成した画像は、確かに目を見張るようなものが多い。一見すると、ナショナルジオグラフィック誌に掲載されているような屋外風景もある。マーケティングチームはImagenを使えば、わずか数回のクリックで看板用の広告を制作できる。
しかし、オープンAIがDALL-Eでやったように、グーグルは「かわいさ」に全力を注いでいる。両社とも、擬人化された動物が愛らしいことをしている写真でツールを宣伝している。たとえば、シェフの格好をしてパン生地を作っているもふもふのパンダ、寿司でできた家に座っているコーギー、オリンピックで400メートルをバタフライで泳いでいるテディベアなど、挙げればきりがない。
https://twitter.com/JeffDean/status/1529173221571932160
これには、宣伝効果だけでなく、技術的な理由もある。「もふもふのパンダ」と「パン生地作り」という概念 …