KADOKAWA Technology Review
×
【冬割】 年間購読料20%オフキャンペーン実施中!

202210 Breakthrough Technologies
MITテクノロジーレビューが選んだ、
世界を変える10大技術

SCROLL TO EXPLORE
パスワードの終わり

パスワードは何十年も前から、あらゆる場所で、あらゆるものにログオンするための標準的な方法として使われてきた。だが、新しい認証方法が登場したことで、ついにパスワードが不要となる。パスワードの代わりには、電子メールや携帯電話のプッシュ通知、生体認証などが使われるようになるだろう。人間が顔を覚える必要もないし、より簡単かつ安全になる。

選出理由
パスワードの終わり
新型コロナウイルス変異株追跡

新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、ゲノム解析への前例のない投資をもたらした。世界中に広がったゲノム監視システムによって、科学者は新型コロナウイルスの蔓延を追跡し、新しい変異株をすばやく発見して警告できるようになった。

選出理由
新型コロナウイルス変異株追跡
送電網向け「長持ち」蓄電池

脱炭素社会の実現へ向けて、再生可能エネルギーへの依存がかつてないほど高まっている。だが、日が沈み、風が止まったらどうなるのか。送電事業者は近い将来直面するであろう課題の解決策を求めている。大規模な「蓄電」だ。安価で豊富に存在する鉄や塩、水を主な材料とする鉄フロー電池は、クリーンエネルギーの無害な貯蔵方法として期待されている。

選出理由
送電網向け「長持ち」蓄電池
タンパク質構造のAI予測

人体の働きには必ずと言っていいほどタンパク質が関わってくる。そしてタンパク質の機能を決めるのは、その三次元構造だ。ディープマインドの「アルファフォールド(AlphaFold)2」は、深層学習AIの手法によって生物学50年来の難問を解決したことで、創薬の新しい道を開いた。

選出理由
タンパク質構造のAI予測
マラリア・ワクチン

マラリアによって年間60万人以上が死亡しており、その大半が5歳以下の子どもだ。世界保健機関(WHO)が承認した新しいマラリア・ワクチンは、毎年数十万人の命を救う可能性がある。また、人の寄生虫病に対し初めて承認されたワクチンという側面も持つ。

選出理由
マラリア・ワクチン
プルーフ・オブ・ステーク

ビットコインのような暗号通貨は大量のエネルギーを消費する。取引の検証方法に莫大なコンピューティング能力を必要とするためだ。プルーフ・オブ・ステーク(Proof of stake)は、エネルギーをあまり使わずに取引を検証する方法で、イーサリアムは2022年中にこのシステムに移行する予定だ。エネルギー消費量は99%削減されるという。

選出理由
プルーフ・オブ・ステーク
新型コロナ飲み薬

ファイザーの新しい飲み薬は、最新の変異株を含む新型コロナウイルスに対して幅広い効果を発揮する。現在、他社も同様の薬を開発しており、ワクチンと組み合わせることで、世界がパンデミックから脱出する切り札となるだろう。

選出理由
新型コロナ飲み薬
実用的な核融合炉

無限の可能性を秘めた核融合エネルギーによる発電は、物理学者が長年夢見てきたカーボンフリー技術だ。そして今、ある新興企業が2030年代初頭までに、核融合エネルギーによって生産した電力を送電網に供給することを計画している。新記録を樹立した強力な新しい磁石を使った核融合は、より小型で安価な原子炉の建設を可能にするだろう。

選出理由
実用的な核融合炉
AIのための合成データ

AIの訓練には膨大な量のデータが必要だ。だが、データが存在しなかったり、現実世界のバイアスを反映していたり、含まれる情報にプライバシーに関する懸念があったりする。こうした問題を回避するために、合成データ(シンセティック・データ)を作成・販売する企業も出始めている。完璧ではないが、AIを訓練するためのより良い方法となるかもしれない。

選出理由
AIのための合成データ
二酸化炭素除去工場

温室効果ガスの排出量削減は、気候変動の影響を緩和するための重要なステップだ。だが、国連によれば、それだけでは十分ではないという。壊滅的な温暖化を避けるためには、大気中の二酸化炭素を除去する必要がある。そのための世界最大の二酸化炭素除去工場が、最近アイスランドで始動した。

選出理由
二酸化炭素除去工場
ABOUT THE LIST

このリストについて10 Breakthrough Technologies 2022

MITテクノロジーレビューの「ブレイクスルー・テクノロジー10」は、今後数年間で世界に最も大きな影響を与える技術の進歩を紹介する年次企画です。 毎年、医療、エネルギー、デジタル技術など幅広いテーマについて、専門記者と編集者が調査し、私たちの生活に有意義な影響を与えるであろう進歩を選定します。今年で21年目を迎えるリストには、私たちの生活や仕事のあり方をすでに変え始めている技術もあれば、間もなくそうなりそうな技術もあります。未来への一歩をお楽しみください。


アーカイブはこちら。
CREDITS
  • Editing:Rachel Courtland, Mat Honan, Amy Nordrum, Michael Reilly, and David Rotman
  • Copy editing:Linda Lowenthal
  • Design:Rachel Stein, Solomon Henry Roh
  • Art direction:Eric Mongeon, Rachel Stein
  • Illustration:Andrea D’Aquino
  • Additional images:protein model courtesy of AlphaFold, practical fusion reactors photography by Tony Luong, carbon removal factory photography by Kristján Maack
  • Engineering:Jack Burns, Andre Vitorio
  • Analytics:Danielle Golds
  • Product:Mariya Sitnova
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る