新型コロナ曝露でどうなるか? 初の「人体実験」で分かった事実
新型コロナウイルス従来株を意図的にヒトに感染させる「ヒトチャレンジ試験」が英国で実施され、その成果が発表された。ウイルスへの曝露から感染、発症の経過を観察した初の試みで、新たな知見が得られた。 by Charlotte Jee2022.02.07
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹った人は、従来考えられていたよりも早く感染していることが判明した。若く健康な志願者に意図的に新型コロナウイルスを感染させる、世界初の「ヒトチャレンジ試験」研究による成果だ。研究は、インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者が率いるチームにより実施されたもので、SARS-CoV-2に感染した瞬間からの経過を観察した初の試みとなる。
研究では、 18歳から30歳までの志願者36名に対し、低用量のSARS-CoV-2ウイルス(従来株)を経鼻曝露させた。ウイルス量は、鼻水1滴内に含まれるものに相当する量で、ごくわずかだ。被験者の半数で曝露から2日以内に発症またはウイルスが体内から検出され、感染性ウイルスの量は5日目でピークに達した。これまでは、曝露から初期症状が出るまでは5日程度と推定されていた。また、今回の研究では、被験者は感染力を平均9日間維持し、最初の曝露か …
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