KADOKAWA Technology Review
×
2024年を代表する若きイノベーターたちに会える!【11/20】は東京・日本橋のIU35 Japan Summitへ
自律自動車は暮らしをどう変えるか? アマゾン買収企業CEOの狙い
Winni Wintermeyer
人工知能(AI) Insider Online限定
Zoox CEO Aicha Evans on how autonomy will change our habits

自律自動車は暮らしをどう変えるか? アマゾン買収企業CEOの狙い

昨年夏、アマゾンに12億ドルで買収された自動運転車のスタートアップ企業「ズークス」。同社が目指すところや、チーム作りに関する多様性についてCEOが語った。 by Anthony Green2021.08.13

2020年はアイシャ・エバンスにとって激動の一年となった。自身が最高経営責任者(CEO)を務める自動運転車のスタートアップであるズークス(Zoox)が、同年の夏にアマゾンに買収されたのだ。買収額は12億ドルと報じられた。さらに、12月にズークスが披露した同社の車は、自動車というものに対する人々の認識を大きく覆すものになった。

Cities Issue
この記事はマガジン「Cities Issue」に収録されています。 マガジンの紹介

利用目的は自動運転タクシーだが、車というよりハイテク馬車のように見える。スライド式のガラスドアはどちらの側からでも乗客を迎え入れられる。さらに車体の外側のそれぞれの角には「センサーポッド」が取り付けられており、複数のライダー(LIDAR:レーザーによる画像検出・測距)やレーザー装置やカメラが運転を補助する。床下には電気モーターが搭載されており、最高時速約120キロで乗客を目的地にすばやく送り届けることができる。

ズークスの車はゼロから作られた数少ない無人運転車両の1つだ。さらにエバンスCEOによれば、同社の車は決して個人で所有するものではないという。車両のテストを実施しているサンフランシスコやラスベガスのような都市で、アプリを使った配車サービスを立ち上げることを計画している。

産業を変え、都市の移動手段を変革するとはどういうことなのか? エバンスCEOが語った。

——あなたの定義ではズークスとは何の会社なのでしょうか?人工知能(AI)の企業でしょうか?ロボット工学の企業でしょうか? 

AIやロボット工学を活用している輸送会社です。電気自動車やソフトウェアを取り巻く新技術を全て活用しています。そうしたもの全てを融合させ、根本的に新しい輸送業界を切り開こうとしています。

サンフランシスコのような住宅問題を抱えていてビジネスフライトに不安のある都市では、不動産占有面積の30%が駐車場に使われています。もし、A地点からB地点への移動にズークスを利用していたとすれば、そうした建物を入れ替えて、企業や住宅向け、あるいは公園として再生できます。

ズークスの見地からはもう1つ非常に重要なことがあります。こうしたことを実現するため、センサーやコンピューターを活用しているということです。当社にいつも寄せられる質問があります。「なぜ車を作っているのか?」というものです。そうですね、現在の乗用車は人間の運転手を想定して構築・設計されていることが理由です。AIが運転するために最適かつ最も安全なものとなるよう、車両を再構築・再設計することが、当社の使命なのです。

——自動運転車は、道路上にいないときの生活にはどのように影響するでしょうか? 

現 …

こちらは有料会員限定の記事です。
有料会員になると制限なしにご利用いただけます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. How ChatGPT search paves the way for AI agents 脱チャットGPTへ、オープンAIが強化するプラットフォーム戦略
  2. Promotion Innovators Under 35 Japan Summit 2024 in Nihonbashi 2024年のイノベーターが集結「U35 Summit」参加者募集中
  3. The winners of Innovators under 35 Japan 2024 have been announced MITTRが選ぶ、 日本発U35イノベーター 2024年版
  4. OpenAI brings a new web search tool to ChatGPT チャットGPTに生成AI検索、グーグルの牙城崩せるか
  5. The US is about to make a sharp turn on climate policy トランプ再選、気候対策に打撃 今後予測される影響は?
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る