KADOKAWA Technology Review
×
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
EVトラック普及で送電網は耐えられるか?
Getty
気候変動/エネルギー 無料会員限定
Why the grid is ready for fleets of electric trucks

EVトラック普及で送電網は耐えられるか?

電動化の波はトラックにも及んでいる。短距離を走るトラックはすぐに電動化できそうだが、長距離を走る大型トラックを電動化するには何が必要になるのだろうか。 by Casey Crownhart2021.07.30

「セミ」「トラクター・トレーラー」「18輪」など、呼び方はともかく、大型トラックは経済を文字どおり動かしている。そして、そのうちのいくらかは電動化できるかもしれない。

輸送セクターが気候に与える影響は並外れて大きい。全世界で、トラックやバスなどの大型車両は台数で自動車全体の約10%を占めるに過ぎないが、車両由来の二酸化炭素排出量で見ると自動車全体のおよそ半分を占める。微粒子汚染で見ると、自動車全体の70%以上を発生させている。

トラックの中には1日で数千キロも走るもののあるが、残りは短い距離を運行している。短距離を走る車両は近い将来の電動化に向いている、と話すブレナン・ボーローグは、米国立再生可能エネルギー研究所(NREL:National Renewable Energy Laboratory)の研究者で、先ごろネイチャー・エネルギーに発表されたEVトラック充電インフラについての研究の筆頭著者だ。

「これは大型トラック電動化への第一歩であろうと私たちは見ています」とボーローグはいう。メーカーは長距離車両に必要な要求を満たそうと今も努力を続けているが、近距離輸送を担うトラックの場合は、比較的短い距離を毎日走って同じ場所に戻るので、大容量のバッテリーや公共の超高速充電インフラを必要としない。

しかし、多数のEVトラックが1カ所で同時に充電したときに送電網が耐えられるか、研究者たちは確信を持てなかった。比較的少ない電力で走行できる上、地域全体に分散する電気自動車と異なり、EVトラックの集団は配電システムの負担になるかもしれないからだ。

送電網上に配置する変電所は狭い地域をカバーする。この面積は3〜5平方キロ程度とするのが普通だ(ただし、人口密度によって大きく異なる)。もし1つの地域で変電所の容量を超える電力需要が突然発生すると、地域全体が停電となる。このような …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. A new US phone network for Christians aims to block porn and gender-related content ポルノもLGBTも遮断、キリスト教徒向けMVNOが米国で登場
  2. Musk v. Altman week 1: Elon Musk says he was duped, warns AI could kill us all, and admits that xAI distills OpenAI’s models 「オープンAIを蒸留した」マスク対アルトマン第1週、法廷がざわめく
  3. Will fusion power get cheap? Don’t count on it. 核融合は本当に安くなるのか? 楽観論に「待った」をかける新研究
MITテクノロジーレビューが選んだ、 世界を変える10大技術

MITテクノロジーレビューの記者と編集者は、未来を形作るエマージング・テクノロジーについて常に議論している。年に一度、私たちは現状を確認し、その見通しを読者に共有する。以下に挙げるのは、良くも悪くも今後数年間で進歩を促し、あるいは大きな変化を引き起こすと本誌が考えるテクノロジーである。

特集ページへ
AI革命の真実 誇大宣伝の先にあるもの

AIは人間の知能を再現する。AIは病気を根絶する。AIは人類史上、最大にして最も重要な発明だ——。こうした言葉を、あなたも何度となく耳にしてきたはずだ。しかし、その多くは、おそらく真実ではない。現在地を見極め、AIが本当に可能にするものは何かを問い、次に進むべき道を探る。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る