6月末に米国太平洋岸北西部とカナダで発生した熱波によって、何百人もの人々が犠牲となった可能性がある。これは人間が引き起こした地球温暖化が原因で悪化した事象だった。そう、気候変動が原因だ。
ワールド・ウェザー・アトリビューション(World Weather Attribution)の分析によると、大気中の温室効果ガスが大幅に増加したことによって、前例のない気象現象が起こる確率が150倍になったという。世界中の科学者が緩やかな形で加入しているこの分析チームは、今回の異常な熱波は気候変動なしには「実質的に起こり得ない」ものだったと結論づけた。気候変動によって、地球の平均気温はすでに約1.2˚C上昇している。
科学者は長らく、気候変動によって熱波や干ばつ、山火事、ハリケーンの頻度と深刻さが増すだろうという一般的な見解に固執し、いかなる気象現象に関しても気候変動が原因だとすることには抵抗してきた。しかし、人工衛星データの記録が増え、計算力が増大し、気候シュミレーションの解像度が高まったことで、特定の災害が地球温 …