ドイツ語で答えても適正あり?AI面接で英語力を測ってみたら……
欧米では企業の採用活動に人工知能(AI)ツールが使われる機会が増えた。実際に複数のツールを試してみると、さまざまな懸念点が明らかになった。 by Hilke Schellmann2021.08.19
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な流行)が1年以上も続き、米国では数百万もの人々が職を探している。こうした中、人工知能(AI)を利用した面接ソフトウェアは、雇用主が求職者をふるいにかけ、募集している仕事に最もふさわしい人材を見つけるのに役立つと謳っている。採用支援ソフトを手掛ける企業は、パンデミックの間にビジネスを拡大したと伝えられている。
だが、このようなテクノロジーへの需要が高まるにつれ、その精度と信頼性に関する疑問も持ち上がる。MITテクノロジーレビュー(米国版)のポッドキャスト「我ら機械を信ず(In Machines We Trust)」の最新エピソードでは、AI採用面接を専門とする2つの企業、「マイインタビュー(MyInterview)」と「キュリアス・シング(Curious Thing)」のソフトウェアをテストした。その結果、ジョブ・マッチング・スコアの予測値にばらつきがあることが分かり、アルゴリズムが何を評価しているのか、疑念が生じた。
求職者をよく知る
マイインタビューは、採用時によく使われる人格の特性を評価するテスト「ビッグファイブ(Big Five Personality Test)」で考察される、開放性、誠実性、外向性、協調性、情緒安定性といった求職者の特性を測定する。キュリアス・シングは人格に関する特性も測定するが、求職者の謙虚さや回復力といったビッグファイブにはない尺度でも評価する。
アルゴリズムは求職者の反応を分析し、人格の特性を判定する。マイインタビューは、採用マネージャーが募集している職務に理想的と特定した特性に、求職者がどれだけ一致しているかを示すスコアをまとめる。
アルゴリズムをテストするために、まず双方のソフトウェアを設定した。管理職、研究者を募集する求人情報をマイインタビューとキュリアス・シングの両方にアップロードして、次にシステムの指示に従って人格に関する特性を選んで理想的な求職者を構築した。
マイインタビューでは細部への注意力のような特性を選び、重要度によってランクづけして、面接時の質問も選んだ。質問は面接中の求職者の画面に表示され、回答は録画される。キュリアス・シングでは、謙虚さ、適応性、回復力のような特性を選んだ。
このテストを実施したチームの1人である私、ヒルキ・シェルマンが、偽の求人に応募し、マイインタビューとキュリアス・シングの両方で職務に関する面接を受けた。
私は、キュリアス・シングで電話面談を受けた。最初は普通に採用面接を受け、英語能力は9点満点で8.5点の評価だった。2回目のテストで自動面接者は同じ質問をしたが、すべての質問に対して …
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