KADOKAWA Technology Review
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ISSで200日過ごした宇宙飛行士が医師として宇宙で学んだこと
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What being a physician taught one astronaut about living in space

ISSで200日過ごした宇宙飛行士が医師として宇宙で学んだこと

カナダの宇宙飛行士であるデイビット・セイント・ジャックスは、エンジニア、天体物理学者、医師という異なるキャリアの道を歩んできた。そのすべてが宇宙飛行士としての任務を達成するのに役立ったという。 by Neel V. Patel2021.07.12

すべての宇宙飛行士が軍などのテストパイロットとしてキャリアをスタートするわけではない。国際宇宙ステーション(ISS)で203日を過ごしたカナダ宇宙庁(CSA)のデイビット・セイント・ジャックス宇宙飛行士は、医学の学位を持っている。ジャックス宇宙飛行士が地球周回軌道へ向かう道の途中で経験した紆余曲折について、MITテクノロジーレビューに語った。

——ほとんどの人は、エンジニアや天体物理学者になれば十分だと考えるでしょう。あなたは、それだけでは十分でないと考え、医学の学位を取得し、さらには宇宙飛行士にさえなりました。これほど多くの異なることを追求する動機は何だったのですか?

普通ではないように見えることは分かっています。でもご存知のように、私は他のみんなと同じです。私の人生は計画するようなものではありません。ただ起こることなのです。幼い頃からの私にとって人生の探求とは、世界を理解することでした。しかし、全てを理解するなんてことは、ばかげた野心のようなものです。もちろん、達成できないでしょう。ですが、やってみるつもりです。もちろんそれは壮大な計画であると思っていましたが、むしろ立て続けに訪れるチャンスの扉のように感じていました。私が集めてきた教養はすべて、宇宙飛行士として本当に役に立ちました。

——そうした経験は、宇宙でのあなたの時間をどのように彩り、影響を与えましたか?

宇宙飛行士は1人ひとり異なります。決まった道はありません。宇宙機関が本当に求めているのは、一種の「何でも屋」です。いったん宇宙に着いたら、ほとんどすべ …

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