中国の探査車が火星着陸に成功 宇宙大国としての地位を確立
ビジネス・インパクト

China has landed a rover on Mars for the first time—here's what happens next 中国の探査車が火星着陸に成功 宇宙大国としての地位を確立

中国の火星探査車「祝融」が火星表面への着陸に成功した。火星へ探査車を送り込むのに成功したのは米国に続く2番目であり、中国が世界有数の宇宙開発国であることが実証された。 by Neel V. Patel2021.05.19

中国の火星探査車が火星への着陸に初めて成功し、これによって中国の宇宙開発計画は大きな飛躍を遂げた——。中国国営メディアは5月15日、こう伝えた。火星着陸に完全な形で成功した国としては、実に2カ国目となる。古代中国神話の火の神にちなんで「祝融(Zhurong)」と名付けられた探査車は、米国航空宇宙局(NASA)の「キュリオシティ(Curiosity)」そして「パーサビアランス(Perseverance)」に続き、火星の表面を動き回る、数少ない車輪付きロボット集団の仲間入りを果たしたことになる。

「これは中国の宇宙開発にとって、まさに画期的な出来事です」。中国科学院国家宇宙科学センターのチ・ワン・センター長は言う。「中国の宇宙開発が地球-月系を離れて、(火星)惑星系に向かうことを意味します。今回のようなミッションにより、中国が太陽系全体を探索する能力を持っていることが実証されることになります」。

祝融は、中国が2020年7月に打ち上げた火星ミッション「天問1号(Tianwen-1)」の一部である。同じく昨年7月には、 NASAがパーサビアランス探査車を、 アラブ首長国連邦(UAE)が「ホープ・マーズ・オービター(Hope Mars Orbiter)」を打ち上げた。この3基のすべてが、2021年2月に火星の周回軌道に乗ることに成功した。パーサビアランスはそのまま火星表面へと直行したが、中国は天問1号を数カ月間、周回軌道に留めて、祝融の着陸に適した場所を探していた。最終的にはユートピア平原(Utopia Planitia)が選ばれたが、これは1976年にNASAの宇宙船「バイキング2号(Viking 2)」が着陸したのと同じ地域である。天問1号は、オービター(軌道船)と探査車「祝融」の両機から成る。

NASAは最近、火星ミッションを相次いで成功させているが、火星ミッションは決して易しいものではない。火星ミッションの半分は失敗に終わっているのだ。ソ連は1971年に宇宙船を火星に着陸させたが、わずか110秒後に通信が途絶えてしまった。ここ最近でも、2017年に欧州宇宙機関(ESA)の着陸機「スキャパレリ(Schiaparelli)」が火星表面に向かう途中で墜 …

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