テック企業にユーザーの暗号化データを開示させるために、米国政府はどの程度の権限を持つべきだろうか? 昨年、アップルと米国連邦捜査局(FBI)が繰り広げたドラマチックな争いは、法廷で明確な答えが出る前に立ち消えになった。しかし、近い将来、この問題はワシントンで多くの議論を招く形で間違いなく再燃する。次の論争では何がおきるだろうか?
捜査当局者は、問題は未解決のままだという。暗号の利用は拡大しており、アップルのiOS等、提供者側ですら暗号データにアクセスできない製品が登場し、警察の捜査が不当に妨げられている、ともいえる。
米国政府は昨年、サンベルナルディーノ銃撃事件の犯人が所有していた iPhoneの暗号化データの提供をアップルに要求した。同様に、捜査官が暗号化された機器にアクセスできるようにアップルに協力させようと、再びアップルと法廷で直接対決する決断を下すかもしれない。もしFBIが前回の争いを蒸し返したくなければ、iOSとは別の形態の暗号を使う暗号化メッセージやメールサービス 、アプリ等を議論の対象にするかもしれない。
エンド・トゥ・エンド暗号化(WhatsAppやiMessage、Signal等に使われている暗号化方式、E2EE)では、サービス事業者がメッセージ内容にアクセスできる従来のメールやチャットとは異なり、サービス事業者はユーザーのメッセージを読んだり、転送したりできない。しかし、電子フロンティア財団の所属のアンドリュー・クロッカー弁護士は、捜査官がiPhoneに保存 …