トランプ凍結「一貫性ある対応を」 監督委がFBに突き付けた課題
フェイスブックのトランプ前大統領のアカウント凍結をめぐって、フェイスブックが設立した監督委員会が同社の判断を支持すると発表した。だが、長期的な対応については同社が半年以内に再検討して判断すべきだという。 by Abby Ohlheiser2021.05.10
フェイスブックの監督委員会は5月5日、トランプ前大統領のフェイスブック利用を引き続き凍結するという同社の判断を支持すると決定した。その前夜、トランプ前大統領は、独自のWebサイトを立ち上げたことをフォックス・ニュースの独占報道で発表した。「ドナルド・トランプのデスクから(From the Desk of Donald Trump)」と命名された新しいWebサイトはソーシャルメディアのような見た目だが、中身は前大統領の発言をただ垂れ流しているだけのものだ。それぞれの発言には「いいね」ボタンのほか、投稿内容のリンクをフェイスブックやツイッター(前大統領の利用は永久凍結されている)で共有するためのボタンもついている。
トランプ前大統領のWebサイトは、監督委員会が前大統領のフェイスブック利用凍結措置を支持すると発表するのを見越して開設された。
今回の監督委員会の決定を、まるで最高裁判決のような絶対的な決定事項として受け止めている人も多い。ただ、監督委員会は独立機関との位置づけだが、フェイスブックが設置し、資金もフェイスブックが提供している。「監督委員会の決定に従う」というフェイスブックの言葉を信頼しているに過ぎない(一方で、監督委員会の勧告に強制力はない)。またこの決定は、一部から期待されているような最終的なものでもない。監督委員会は当初の凍結措置については支持しつつ、トランプ前大統領のアカウントに対する長期的な対応について、第三者に委ねるのではなく、フェイスブック自身が決定するべきだと述べている。
監督委員会は、「フェイスブックの規定には存在しない『無期限のアカウント凍結』という曖昧な罰則を課すのは適切ではありません」と勧告している。フェイスブック自身が問題を再検討し、「プラットフォームの他のユーザーに適用される規定と一貫性があり、釣り合いの取れた対応を決定し、正当性を示す」必要があるという。監督委員会はフェイスブックに対して6カ月以内の対応を求めており、半年後には再びこの問題が注目を浴びることになりそうだ。
長い間、トランプ前大統領は極めて重大かつ無意味な注目の的だった。国家元首が、ツイッターの個人アカウントを使って過激な主張を広め、大衆の注目を操作し、非常識なミームをリツイートした。危険な陰謀論を広め、支持者に直接語りかけた。支持者たちは最終的に、「選挙が盗まれた」という誤った認識の下に選挙結果を覆そうとして国会議事堂を襲撃した。
フェイスブックやツイッターのような企業は長年にわたり、トランプ前大統領がソーシャルメディアに投稿した …
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