KADOKAWA Technology Review
×
始めるならこの春から!年間サブスク20%オフのお得な【春割】実施中
1600℃の溶解炉で
コーニングが研究中の
未来のガラス
カバーストーリー 無料会員限定
Inside the Far-out Glass Lab

1600℃の溶解炉で
コーニングが研究中の
未来のガラス

将来のスマホやタブレットのデザインを決める新素材ガラスは、ゴリラガラスで有名なコーニングのガラス研究所で試作されている。軽くて曲げても壊れないガラス製の機器が登場するかどうかは、ニューヨーク州北部にあるコーニングの研究センターにかかっている。 by Katherine Bourzac2017.02.03

ニューヨーク州北部にあるコーニング本社にある実験炉の前に、3人の作業員がいる。大きなマスクと宇宙服のような銀色の装備をまとった3人の動きには無駄がなく、落ち着いた様子だ。1600℃の炉の前で、溶解したガラスの入った白熱したるつぼを持ち、台に流して固まる前に成形する。ひとりの手袋からは煙が出ているが、誰も気にしていない。

コーニングのアダム・エリソン研究フェローは、材料工学の研究者だ。実験炉の作業中にガラスから硫黄のような熱気が周囲に広がるのを見ながら「3人はバレエをしているんです。地獄のような熱さですが、ガラスはすぐに固まってしまうので、数分間しか作業はできません」という。エリソン研究フェローが開発に関わり、作業員が台の上で流しているガラスは「ゴリラガラス(Gorilla Glass)」ブランドで知られ、耐久性や薄さ、軽量であることから、多くのスマートフォンに採用されている。

研究によってコーニングは、ガラス素材の利用範囲をどこまで拡大できるかを探っている。屈曲性があり、しかも傷が付きにくく、破損しにくいガラスを製造で …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. Promotion MITTR Emerging Technology Nite #32 Plus 中国AIをテーマに、MITTR「生成AI革命4」開催のご案内
  2. AI companions are the final stage of digital addiction, and lawmakers are taking aim SNS超える中毒性、「AIコンパニオン」に安全対策求める声
  3. What is vibe coding, exactly? バイブコーディングとは何か? AIに「委ねる」プログラミング新手法
  4. Tariffs are bad news for batteries トランプ関税で米電池産業に大打撃、主要部品の大半は中国製
▼Promotion
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る