米国政府は、ワクチン開発から遺伝子配列の解析にいたるまで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの抑制を目的としたプロジェクトに数十億ドルの資金を投入している。政府関係者は資金の使用用途については透明性を確保していると主張しているものの、実際には情報を隠蔽する余地が大いにあることが、MITテクノロジーレビューによる最近の記録請求で明らかになった。
MITテクノロジーレビューは以前、4400万ドルが投じられた米国のワクチン管理システムが抱える問題について報じた。その後、私たちは、管理システムの基盤となるソフトウェア開発で、米国疾病予防管理センター(CDC)が随意契約した文書の開示を請求した。請負業者は大手コンサルティング企業のデロイトである。入手した記録では、同社のコストやプロジェクトに参加したメンバーの詳細、さらにはこの業務を請け負うのになぜデロイトが適任であるかという説明に至るまで、多くの情報が伏せられていた。
CDCがデロイトに発注したのは、医師がワクチンの在庫管理や接種報告するシステム。接種対象者向けのの接種予約、2回目接種のリマインダー、接種証明を送付するためのシステムが含まれている。
契約期限から数カ月後になってデロイトが納品したのは、セールスフォースの既存製品に手を加えた「ワクチン・クラウド(Vaccine Cloud)」というシステム。今年1月に報じたように、この製品は非常に使いづらく、ほんの一握りの州しか利用していない。
だが、情報自由法(Freedom of Information Act)に基づいて公開された文書では、デロイトが過 …