米国ではこれまでに1億1800万回分を超える新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種が実施されてきた。さらに毎日数百万人が接種を受けている。これまでのところ、接種を受けようと必死になっている人々の需要はワクチンの供給量を上回っており、接種の予約枠が発表されるとすぐに埋まってしまう状況だ。
しかし、もうすぐ全米の管轄区は、正反対の問題に直面する可能性がある。
生産が強化され、まもなく米国は大量の追加ワクチンを確保する予定だが、それまでにワクチンを接種した人が多くなり、接種を積極的に望む人は減るだろう。変化は急速に訪れるのだ。米国疾病予防管理センター(CDC)のロシェル・ワレンスキー所長は3月11日に公開された動画で、需要と供給は「今後数週間から1カ月後」に変化する可能性があると推測している。全米でワクチン接種会場を提供している大手スーパーのウォルマートは3月10日、需要と供給の逆転は1カ月から45日以内に起きるかもしれないと語った。
一部の州では、ワクチン不足から供給過剰への移行はすでに始まっている。アイダホ州では、人口の20%が少なくともワクチンを1回接種済みで、多くの接種予約枠が埋まらず、州当局はスケジュールを前倒しして接種資格者の拡大をした。アイダホ州は3月22日から、予約枠を55歳以上の人に広げる予定だ。
3月16日の記者会見でアイダホ州当局は、隔週で20万人以上の予約を受け付けていると述べた。ワクチンの供給が進むことで接種をためらっていたアイダホ住民の多くが、接種を受け始めるだろうと州当局は期待している。
一方、一部のネイティブ・アメリカンのコミュニティはワクチン供給に関して米国のどの州よりも数週間先に進んでいる。例えばチカソー部族は、3万8000人もの住民が首尾良くワクチンを接種し、今や16歳以上の住民であれば誰にでも、そしてオクラホマ州の一般住民にも接種を実施している。
つまり、米国では多くの人々が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗体を獲得し、感染拡大を抑制できる地点へ向けて驀進していることが分かる。バイデン大統領は、5月1日までに全成人をすべての州でワク …