私たちが「進歩」について話すとき、その言葉が意味しているものは何だろうか。一般的に言えば、進歩するということは、何かに向かうと同時に、別の何かから離れていくことを意味する。しかし、私たちがどこへ向かい、何を後に残していっているのかというのは、重要な質問だ。政治運動を活発にし、国際協定を形成し、私たち自身の個人的な成長の感覚を定義することになるからだ。
個人としての進歩や集団としての進歩についての考え方は、人々の価値観や将来への希望を反映する。私たちが何を達成しようとしているのかを知ることは、テクノロジーが果たすことのできる、または果たすべき役割を理解する助けともなる。これらの可能性を探求するために、8人の専門家が「あなたにとって進歩とは何ですか?」という、一見単純な質問に答えてくれた。
機会
シヴァーニー・シロヤ(Shivani Siroya)
タラ(Tala、米国)の創業者兼最高経営責任者(CEO)
私はインドと米国の間に挟まれて育ったので、長い間、進歩についての考えは、この2つの場所の違いによって形作られました。途上国と先進国、新興国と成熟国です。進歩とは、このギャップを埋めることであり、一方が設定したシステムと基準に、他方を追いつかせることでした。
ですが、この10年間で私は、誰が進歩に名前を付けて、それを測る権限を持っているのか、そしてそれを必要としている人々に、どうすればその権限をもっと移譲できるのかを考えるようになりました。
他の誰かに対して進歩がどのように見えるかを定義できると考えるのは、どこか傲慢なところがあります。だからこそ私は、人々が自分にとって大切なことを何でも追い求められるようにするシステムとツールの作成に焦点を合わせているのです。そしてそれが、私が既存のシステムで答えを探すのをやめた理由でもあります。
結論:進歩とはギャップを埋めることでなく、ドアを開くこと。
正義
ジュリアン・ヨーク(Jillian York)
電子フロンティア財団(Electronic Frontier Foundation、ドイツ)国際表現の自由担当理事
私にとって進歩とは、企業の成長の中にも、ましてや、新技術の開発の中にもありません。正義と平等と基本的人権の中にあるのです。技術的な「進歩」は、私たちの誰かの妨げになるのであれば、何の意味もありません。それでも、シリコンバレーから深センまでの企業は、多様性や、危害の認識、基本的人権の配慮などが不足したままで前進し続けています。
チームワーク
バーバラ・パイズ(Bárbara Paes)
ミナスプログラム(Minas Programam、ブラジル)の共同創始者、及び活動家
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