農業機械最大手のクボタは、京都で開催された自社イベントで、開発中の自動運転農機を日本メーカーとして初めて公開した。GPS(全地球測位システム)で自機の位置を把握し、あらかじめ指定された範囲内で無人運転できる。公開されたのは自動耕うん機(トラクター)、田植機、自動収穫機(コンバイン)の3機種で、Wi-Fiリモコンで起動から作業内容の指定、作業開始を指示できる。
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国内の農地は、少子高齢化による離農、企業等への委託が増えており、一経営体・一戸当たりの経営耕地面積は、もともと規模の大きい北海道でも他の都府県でも増加傾向にある。したがって、作業全体の自動化、天候が悪くても作業を進められる機械化には大きなニーズがある。朝日新聞の記事によれば「普通のトラクターと同時に自動の1台を使うと、作業効率は3割ほどアップする」という。
農林水産省は「農業機械の安全性確保の自動化レベル」として0~3までの4段階を示しており、クボタが発表した自動農機は有人監視下でシステムが運転するレベル2に相当する。人間が運転する必要はなく、障害物を検出すると自動的に停止するが、人工知能は搭載していない。朝日新聞の記事でクボタの飯田聡・研究開発本部長は「かなり実用化に近づいた。土壌などのデータとの連携で、効率化が実現できる」と述べた。
(関連記事:”建設ロボットは正確で現場重視の施工を実現できるか?,” “ルンバ発明者が庭や家庭菜園用の雑草刈りロボットを来年販売,” “元ドローン後進国アメリカ 規制緩和で遠距離飛行も目処“)
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- MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]日本版 編集部
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