今日頭条(読み方:ヂンリー・トウティアオ) の社内には、北京近郊ではなく、シリコンバレーの中心地にいるような雰囲気がある。
壁面はスタイリッシュな落書きで装飾され、ゲームルームやジム、豪華なカフェテリアなど、社員向けによくある特典はすべて揃っている。だが今日頭条がシリコンバレー風なのはそこだけではない。今日頭条が開発している大人気の中国語ニュース収集アプリ「今日頭条」(「頭条」は「見出し」の意味)は、中国国内に約6億人のユーザーがおり、アクティブ・ユーザーは1日6000万人だ。今日頭条の収入の大半は広告で、ユーザーの好みや関心に合わせてカスタマイズされている。
今日頭条の親会社であるバイトダンス(Bytedance)は劇的なスピードで成長してきた。2014年にバイトダンスが募集した資金調達には約5億ドルが集まり、最新の資金調達ラウンドで同社は100億ドル以上の評価を求めていると伝えられている。
今日頭条は2012年に、33歳の起業家、張一鳴(チャン・イミン)によって設立された。今日頭条が成功した主要因は、ユーザーの関心や嗜好を把握するために機械学習を用いたことと、提供内容をカスタマイズした結果、より多くのクリックを獲得したことだ。フェイスブックとツイッターも機械学習で推薦内容を精密に絞り込むが、ソーシャルな結びつきの方が、表示される記事に影響しやすい。
アプリを実行すると、深刻なニュース報道からキュートな映像まで、多くの記事がある。何度もクリックするうちに今日頭条はユーザーの嗜好と関心を学習し、推奨内容を精密に絞り込んでいく。
初めてアプリを起動すると、さまざまな記事が表示される。トップストーリーは今後の経済改革について、次はその日の北京の汚染レベルに関するニュース、さらに人気のお笑い芸人がスモッグについて語る映像が続いた。下の方には、有名女優の情事についての好色譚があり、不思議なことに、生まれたばかりのひな鶏の性別を見分ける方法の記事(田舎の読者を狙ったものだそうだ)もある。
来年、今日頭条は …