KADOKAWA Technology Review
×
米上院で民主党が主導権、気候変動対策はどう変わるか?
AP Photo/Carolyn Kaster
気候変動/エネルギー 無料会員限定
The odds of US climate progress just improved a bit

米上院で民主党が主導権、気候変動対策はどう変わるか?

上院議員選挙で民主党と共和党が拮抗し、政権与党である民主党が主導権を握ることになった。気候変動対策の前進が期待されるが、大きな改革の実行には不十分かもしれない。 by James Temple2021.01.18

ジョージア州の上院議員選挙の結果により、民主党は議会の両院で多数派となった。少なくとも今後2年間、ジョー・バイデン次期大統領は自身の意欲的な気候政策を前進させやすくなったことになる。

数週間前には予想されていなかったが、民主党上院議員候補のジョン・オソフとラファエル・ワーノックがともに勝利した。これによって、上院議会で民主党と共和党が50対50で拮抗することになり、上院議長を兼ねたカマラ・ハリス次期副大統領による議長決裁が可能となる。また、民主党のチャック・シューマー上院議員が上院多数党院内総務に昇格し、エネルギー・天然資源委員会や環境・公共事業委員会のほか、気候政策を前進させる他の立法グループを民主党議員が主導できるようになる。

こうした変化によって、バイデン次期大統領はエネルギー省や環境保護庁といった重要省庁の閣僚など幹部の人選を迅速に押し通せるようになる。次期政権は、トランプ大統領が異議を唱えたり後退させたりした重要な環境規制を、大統領令の発出や法的な異議申し立ての差し止めなどの手段によって、より短期間で復活させられる可能性がある。

しかしながら、民主党議員の数は、上院での議事妨害をやめさせるのに必要な60票を余裕で確保できるほどには多くない。 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. What’s on the table at this year’s UN climate conference トランプ再選ショック、開幕したCOP29の議論の行方は?
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る