さて、今回は避妊用配達アプリを紹介しよう、なんて書き出すと、シリコンバレー発の新たなサブスクリプション・サービスで「自宅にいるだけで!」がうたい文句でしょ?なんてすぐに想像できて無視したくなる。ところがナルクス(Nurx)はオンラインで避妊方法を処方しユーザーに郵送する普通のサービスで、忙しい都会人のための接客係付きサービスではない。特に米国では、女性が安心して、健康な状態で子どもを授かること(リプロダクティブ・ヘルス)がますます政治問題化しており、避妊薬の入手について、今後ナルクスは重要な役割を果たしそうなのだ。
https://vimeo.com/141002076
ナルクスの仕組みは簡単だ。オンラインでアカウントを登録(無料)して基本事項を問診票に記入し、資格のある医師とインスタント・メッセージでやりとりすると、希望した避妊薬が梱包され配達される。受診料や配送費は不要で、医療保険に加入していれば、ほとんどの場合はすべて無料で済む。医療保険に未加入でも、診察代は無料で、薬代を払うだけでいい。
ナルクス(原音は「ヌァルクス」に近い)は「フリーダイヤルで今すぐご連絡を!」方式で普及した企業による低リスク処方の通販モデルを改善することで、女性の健康のある面を支援しているのだ。ナルクスは、ほとんど革命的ではない点で革命的だ。アイデアはとてもシンプルだが、競合が見あたらないオンリー・ワン企業だ。医師や薬局が近くにない医療「砂漠」に住む女性や、近所の医師や薬局に簡単には行けない障害女性、休みが取れず処方医に行けない働く女性に、ナルクスは最適だ。
ナルクスのジェシカ・ノクス医療担当役員は「避妊処方薬の更新のために、若くて健康な女性が、年に一度、産婦人科で診察を受ける必要はありません。ナルクスはシンプルで安全な医療サービスです」という。
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