1970年代、ロボットは自動車産業に革命を起こし、人間よりもより確実で素早いため、さまざまな作業を任されるようになった。最近、新世代のロボットが自動車産業以外の製造ラインで稼働するようになり、レタスをパッキングするような、かなり繊細で扱いにくい作業までこなせる、優しいロボットが登場している。強力な新しい労働力により、想像もつかない方法で製造業の革命が進行中だ。
しかし、建設産業は他の多くの産業と比べて、検討すべきことが多い。建設現場は常に変化する複雑な環境であり、すべてのロボットは重たい建設部材を扱うために十分に強力でなければならない。しかも標準的なビルに入れるほど十分に軽く、小型である必要もある。さらに、ぬかるんだり部材が転がったりしている建設現場で移動できなければいけない。
難しい要件だが、潜在的なメリットは非常に大きい。建設ロボットがあれば、新しい種類の複雑な構造物を、遠くの工場で製造して現場に運ぶのではなく、現場で組み立てて建設できるようになるだろう。設計時には予測できない現場の状況に合わせて、その場で設計を変更して構造物を作れるかもしれない。
では、最先端の建設ロボットはどんなものなのだろうか?
1月24日、チューリッヒ工科大学(スイス)のマーカス・ギフターラー教授の研究チームが、建設現場で斬新な構造物を作れる新型ロボットを開発したおかげで、建設ロボットを具体的に検討できるようになった。研究チームは新ロボット「イン・シチュ・ファブリケーター1」の性能を明らかにしている。
イン・シチュ・ファブリケーター1は、建設現場で実際に作業ができるように、ゼロから設計された。さまざまなな道具を使って5mm未満の精度で作業でき、複雑な変化する環境で半自律的に活動するように設計された。また、標準的な壁の高さまでアームが届き、普通の出入口なら通り抜けるられる。防塵・防水で、通常電源で稼働し、バッテリーでも動作する。さらにインターネット接続されていれば、建設家が必要に応じて設計図をリアルタイムで変更できる。
難しい目標設定だが、イン・シチュ・ファブリケーター1は大部分を達成した。ファブリケーター(「作業者」の意味)は周囲の環境を感知するカメラ一式と、移動や作業計 …